定期保険の中には長期平準定期保険、逓増定期保険という保険があります。
定期保険という名称がついているのですが、契約形態によっては支払保険料の全額が損金の額に算入されない場合があります。
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対象となる保険の範囲
法人が役員または使用人を被保険者として契約する定期保険のうち、下記に該当するものは、法人税法基本通達9-3-5及び9-3-6に定める定期保険に係る取扱いにはよらず、それぞれに定める方法により損金算入額を計算します。
①長期平準定期保険
その保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超えるものをいい、下記②の逓増定期保険に該当するものを除きます。
②逓増定期保険
保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるものをいいます。
損金算入額を計算する
前払期間
上記①長期平準定期保険と②逓増定期保険の、保険期間の開始の時から当該保険期間の60%に相当する期間を前払期間とします。(前払期間に1年未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てた期間を前払期間とします。)
この前払期間は支払保険料のうち、保険の種類と区分に応じて下記に定める金額を資産に計上します。そして支払保険料から資産計上額を控除した残額を損金の額に算入します。
保険の種類 | 区分 | 資産に計上額 |
長期平準定期保険 | 保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超えるもの | 支払保険料の2分の1に相当する金額 |
逓増定期保険 | ①保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの (②又は③に該当するものを除く。) | 支払保険料の2分の1に相当する金額 |
同上 | ②保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が95を超えるもの (③に該当するものを除く。) | 支払保険料の3分の2に相当する金額 |
同上 | ③保険期間満了の時における被保険者の年齢が80歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が120を超えるもの | 支払保険料の4分の3に相当する金額 |
前払期間を経過した後の期間
前払期間を経過した後の期間は、
①各年の支払保険料の額を損金の額に算入するとともに、
②前払期間に資産計上した前払保険料の累積額を、その期間の経過に応じ取り崩し損金の額に算入します。
逓増定期保険については契約日に注意!
逓増定期保険に関する上記の規定は平成20年2月28日に規定されたものです。
従って平成20年2月27日以前に契約した逓増定期保険の保険料については、定期保険の取扱いによるものとして、支払保険料の金額を期間の経過に応じて損金の額に算入します。
【編集後記】
文中に入れた表がレスポンシブルになっておらず、スマホで見ると途切れていました・・・
これまでもホームページも含めていくつか表を入れてきましたが、きちんと確認できていませんでした・・・
解決策を検索しまくり、ようやく解決。冷や汗かきました(-_-;)