猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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今さらだけど・・・発生主義で処理している?

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個人事業者として申告をし始めた方や、まだ申告し始めて数年という方の中には、発生主義で帳簿付けをするということを知らなかったという方もかなり多いようです。

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発生主義と現金主義

発生主義とは会計上のルールのひとつ。

現金のやりとりに関係なく、取引の発生した時点で収益や費用を計上することです。

例えば

①物品販売を営んでいる場合には、代金を受け取った時ではなく、商品を引き渡した時

②サービスを提供している場合には、サービス料金が支払われた時ではなく、サービスの提供が完了した時

に売上を計上します。

これに対して現金主義はその名の通り、現金などのやりとりにをしたさいに収益や費用を計上します。

例えば、当月分の報酬が翌月末に支払われる場合、2019年12月分(2020年1月支払い)の報酬は

①発生主義の場合2019年の売上
②現金主義の場合2020年の売上

となります。

事業所得の原則的な考え方

個人事業者の方の売上というのは、事業所得を計算する上での収入金額ですが、この収入金額を計上すべき時期については所得税法基本通達に原則的な考え方が明示されています。

・棚卸資産の販売→その引き渡しがあった日
・棚卸資産の使用販売→相手方が購入の意思を表示した日
・棚卸資産の委託販売→受託者がその委託品を販売した日
・物品の引き渡しを要する請負契約→その目的物を完成して相手に引き渡した日
・物の引き渡しを要しない請負契約→その役務の提供を完了した日
・人的役務の提供(請負を除く)による収入金額→その人的役務の提供を完了した日
・・・・・・

通達の文章をそのままだとわかりにくいのですが、要は

①物品を販売している場合には商品を引き渡した時に、②サービスを提供している時にはサービス提供が完了した時に、収益を計上するということ。

つまり「発生主義で計上してね」というわけです。

現金主義の特例

ただし青色申告者で下記の条件に当てはまる小規模事業者の場合は、届出書を提出することにより、収入や費用の計上時期を「現金主義」によることも可能です。

・その年の前々年分の事業所得の金額及び不動産所得の金額(青色事業専従者給与の額を必要経費に算入しないで計算した額)の合計額が300万円以下であること

なお、特例の適用を受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新たに開業した場合には、開業した日から2月以内)に「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出する必要があります。

青色申告は発生主義で処理をし、白色申告は現金主義で処理をする、なんていうことを耳することがあるかもしれませんが、それは誤りです。

そもそも原則は発生主義で処理をし、特例で現金主義が認められている場合のみ現金主義で処理をすることができるというわけです。

現金主義から発生主義に変更したら

とはいうものの、フリーランスになりたての個人事業者の方で、発生主義の処理をきちんと理解して処理を行っているというのは少数派です。

とにかく入出金を整理して確定申告をしていたら、発生主義で処理をしなくてはならないということを教えられ、慌てて変更するという方がかなり多い。

この変更の年には、過年度に発生して当年度に入金されるもしくは支払うことになる収益や費用に気をつけましょう。

純粋に発生主義で主計すると、上記のような過年度発生で決済が当年度の分が計上漏れになってしまいます。変更の年にはこの分も合算して申告を行うことが必要になります。

【編集後記】

先日100円ローソンで見つけた。「ペヤング超超超大盛GIGAMAX」!

超大盛りの2倍近くあるようです。

※1日1食にしてください。

という注意書きが面白くて写真だけ撮ってしまいました。恐らく量的には食べられると思いますが、さすがに味に飽きてしまいそうなので買ってはいません(笑)。

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