猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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増税初日の店舗をめぐる

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今日から消費税税率は基本10%、そして一部飲食料品などは軽減税率8%となりました。

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値札の付け替えは小売店の定め

近所のショッピングセンターに増税初日の様子を見に行ってきました。

大型小売店は取扱い商品の種類が多いので、昨日の閉店後の値札の付け替えは相当大変な作業だったろうと思われます。

小売店の定めではありますが、今回は軽減税率対象品目についても理解する必要がありますから、店舗の事務負担はとても大きかったでしょう。

100円ショップ

雑貨から食品まで様々な種類の商品を扱う100円ショップ。今日から標準税率と軽減税率の両方の税率の商品が混在することになります。

まずは店舗の入り口付近にこのような表示。

ぞして食品が置いてあるエリアには、8%のPOPが表示されていました。

100円ショップでは基本的に個別の値札がありませんので、この表示方法が一番誤解を招かないだろうと思います。

ただしこの8%のPOPが食品の棚全てに掲示されているわけではないので、軽減税率対象品目が何かをわかっていない場合には迷うことがあるかもしれません。

家具売り場

広いフロアーにある家具は全て値札が消費税10%に変わっていました。

税抜価格(10%税込み 税込価格)という表示です。

最初に税抜価格、後から税込価格ですが、これは税込価格が明示されているので、昨日テーマにした総額表示に該当します。

ホームセンター店内の飲食料品

ホームセンターで売られている米。

税抜価格(8%税込 税込価格)の表示です。家具同様、消費税率も税込価格も表示されており、わかりやすいです。ちなみに標準税率の商品も同様の表示でした。

これなら総額表示の要件を満たしているので、今後消費税率が上がらない限りは、このような一斉の値札付け替えは必要ないでしょう。

スーパー内の雑貨

飲食料品中心のスーパーで売られている雑貨。

税抜価格だけの表示です。

このお店、飲食料品は「税抜価格(税込価格)」の表示なのですが、雑貨に関しては税抜価格のみの表示でした。

2021年4月以降は総額表示が義務付けられますから、それまでに標準税率の商品についても税込価格の表示が必要になります。

キャッシュレスで実質の税負担はどうなった?

ポイント還元導入に合わせて、PayPayも利用してみることにしました。

ポイント還元対象店舗では2%もしくは5%のポイント還元、さらに使用するごとにPayPayから1.5%のポイント還元があります。

実際に買い物をした金額はこのようになりました。

スーパーの支払い

①軽減税率対象本体価格  2,869
②軽減税率分消費税      229
③標準税率対象本体価格    100
④標準税率分消費税       10
⑤店頭支払         3,208
⑥PayPayポイント付与      48

本体価格合計(①+③)  2,969
消費税実質負担分(②+④-⑥)191

消費税実質税率 191÷2,969=6.4%

PayPayポイント付与分を消費税のマイナスと仮定して計算すると、実質税率は6.4%。なんだかお得な気分です。

コンビニの支払い

①軽減税率対象本体価格    520
②軽減税率分消費税       41
③キャッシュレスポイント還元  11
④店頭支払          550
⑤PayPayポイント付与       8

本体価格合計         520
消費税実質負担分(②ー③-⑤) 22

消費税実質負担率 22÷520=4.2%

キャッシュレスポイント還元分があるので、さらに消費税実質負担率は低くなります。

金額で見ると少ないのですが、実質の税率が引くなっていると考えると、なかなか大きいような。日々のことなので。

持ち帰りとイートイン

これも検証したくて、お昼ご飯をイートインスペースのあるコンビニで買ってみました。

しかし、イートインコーナーを利用しますか?とは聞かれませんでした。自己申告された場合には、随時処理をするということですかね?

レジのあたりにイートインコーナー利用についてのお知らせみないなものも見当たらず。実際に増税初日に、「イートインコーナーで食べていきます。」と申告したお客さんはどれくらいいたのでしょうか?興味深いところです。

その後、スターバックスにも行ってみました。

こちらはいつも通り「店内ご利用ですか?」と聞かれたので、「はい」と答え、10%の消費税を支払ました。

ちなみにスターバックスのQRコード決済はLINE Payのみなので、LINE Payを利用すれば、ここでも消費税の実質負担税率を下げられる可能性はあります。

知っているか知らないか

今回の消費税増税と軽減税率導入、さらに同時に行われるキャッシュレスポイント還元の時限措置、これらを理解していればある程度制度を有利に活用することができます。

しかし知っているか知らないかで差が出てしまうということは否めない。

私は職業柄色々と理解していますが、これを実家の両親にすすめても、自分達だけで利用するのはかなり難しいのではないかと。

以前研修で、軽減税率を飲食料品に導入して事業者の事務負担を増やし、消費者も混乱することになるなら、多くの家庭で平等に使用されている水道光熱費を軽減税率の対象とした方がよいと話されていた先生がいました。

本当にその通りですね。

とは言っても制度は動き出してしまいましたから、面倒でも自分で調べながら有利な方法を活用していかなくてはならないのでしょうが。

【編集後記】

普段買っている猫缶です。

税込価格がアップしたのは仕方がないのですが、これまであった「まとめ買い値引き」の表示もなくなっていました・・・

悲しい・・・

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