猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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事業年度の途中で役員報酬を減額する

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某大手芸能事務所の記者会見で、「役員報酬の減額」という話が出ていました。定期同額が基本の役員報酬を、事業年度の途中で変更する場合の取扱いはどうなるのでしょうか?

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原則は定期同額

法人税法上、損金の額に算入される役員報酬は定期同額給与が基本です。

損金の額に算入するためには、役員の職務執行期間中の役員報酬は毎月同額でなければなりません。

この職務執行期間というのは、定時株主総会から翌期の定時株主総会までですので、この期間中に毎月同額を支払うということが原則になります。

ただし例外的に事業年度の途中で役員報酬の改定を行っても、その役員報酬が定期同額給与であると認められる場合があります。

臨時改定事由

法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情により役員報酬の改定が行われた場合には、この改定にかかる役員報酬は定期同額給与の金額とされます。

具体的には

  • 取締役から代表取締役への分掌変更
  • 病気のため職務の執行ができない場合

などがあげられます。

また法人税法基本通達の趣旨説明に

会社やその役員が不祥事等を起こした場合に役員給与の額を一定期間減額するということが見受けられるが、このような役員給与の一定期間の減額が社会通念上相当と認められる範囲のものであるときは、その減額改定及び増額改定についても臨時改定事由によるものに該当しよう。

と記載されていることから、今回の某芸能事務所の役員報酬の減額も、社会通念上相当と認められる範囲であれば、臨時改定事由に該当することとなるでしょう。

業績悪化改定事由

法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由により役員報酬の改定が行われた場合には、この改定にかかる役員報酬は定期同額給与の金額とされます。

ただし経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情がある場合に限られ、法人の一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかったことなどは「法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」には該当しません。

定期同額給与と認められない場合

事業年度の途中で役員報酬を改定し、その改定が臨時改定事由にも業績悪化改定事由にも該当しない場合は、定期同額でない部分の金額が損金不算入とされ法人の利益の金額に加算されます。

【A社】
・3月決算 
・株主総会 5月31日
・報酬支払 毎月25日
・定時改定 6月25日支払分の役員報酬から役員報酬毎月100万円

A社が一時的に資金繰りが悪くなり、10月25日支払分の役員報酬から毎月50万円に減額した場合、改定前と改定後のうち低い金額(毎月50万円)は定期同額給与となります。

従って

(100万円ー50万円)×4カ月分(6月~9月)=200万円

この金額が、申告書上で「過大役員報酬」として利益に加算されます。

【編集後記】

今週土曜日のSHOKICHIくんの静岡公演のチケットが届きました。

今度こそステージ付近か?と期待大でしたが、スタンド席・・・これ一応超先行枠の応募なのですけど・・・

行けばスタンド席だろうがアリーナ席だろうが、大興奮するのはわかっているのですが(笑)1回くらいステージの近くでも見てみたいなあ。

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