会社や個人事業を営む場合、面倒でも帳簿書類の保存は一定期間必要です。
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法人の帳簿保存
原則は7年だけれども青色申告法人は9年必要な場合も
法人は帳簿書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。
ただし青色申告法人で、平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度については、帳簿書類の保存期間が9年間です。
この事業年度は欠損金が生じていないから7年で、この事業年度は欠損金が生じているから9年というのは、かえって煩雑になってしまいます。
それまでの流れもわからなくなる可能性もあるので、青色申告法人の場合には、一律に9年間保存するとした方がよいでしょう。
保存する帳簿書類
国税庁のホームページなどでは丁寧に仕入帳、売上帳・・・と記載してありますが、実際には会計ソフトをいれると総勘定元帳のかたちで保存するのがほとんどです。
実務上はこのようなものの保存が必要です。
- 総勘定元帳
- 決算報告書(法人税申告書、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、勘定科目内訳書、概況書、消費税申告書、地方税申告書)
- 固定資産台帳
- 棚卸表
- 現金出納帳
- 預金通帳、当座預金照合表
- 契約書
- 請求書、領収書、見積書、その他取引の証憑書類
そして保存は1事業年度ごとにまとめる。会社の規模や業種にもよりますが、段ボール1箱に1事業年度分が入っていると調査の時にもわかりやすいです。
個人事業者の帳簿保存
個人事業者の帳簿保存は法人と少し異なります。帳簿書類の種類や、青色申告の有無によって保存期間が異なっています。
青色申告の場合
下記の帳簿書類に応じて、それぞれに定める期間の保存が必要です。
- 帳簿(総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など)→7年
- 決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表など)→7年
- 現預金関係書類(領収証、小切手控、預金通帳、借用証など)→7年(前々年分所得が300万円以下の方は、5年)
- その他の書類(請求書、見積書、契約書、その他取引の証憑書類)→5年
この場合も、これが7年でこれが5年でと分けるのは、かえって間違いのもとになるかもしれません。青色申告の場合には、帳簿書類を1年ごとにまとめて7年間保存しておくのがよいでしょう。
白色申告の場合
白色申告の場合でも一定期間保存しなくてはならない帳簿書類があります。
- 帳簿(収入金額や必要経費を記載した帳簿)→7年
- 決算関係書類(棚卸表など)→5年
- その他の書類(請求書、領収書など)→5年
帳簿以外の保存は5年で大丈夫ですが、帳簿と合わせて1年ごとに保存しておく場合には、すべて7年間保存しておく方がわかりやすいでしょう。
電子データは不用意に削除しないで
最近では取引のやりとりがすべてインターネットや電子メールのみというケースも頻繁にあると思われます。
これらについては法人税法や所得税法ではなく、電子帳簿保存法という別の法律に規定が設けられています。
電子帳簿保存法第10条では法人や個人事業者が電子取引を行った場合には、その取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないという旨が定めらています。
インターネットのサイトを介してのみ、メールの文面や添付ファイルのみでやりとりをしているような場合には、その記録も帳簿書類と同じように保存義務があるのです。
保存期間はその取引が紙で行われたとした場合に必要とされる保存期間です。
メールボックスがいっぱいになってきたからといって、不用意にメールを削除しないよう気を付けましょう。
申請して電子データ保存する
法人や個人事業者が一貫してパソコなどの電子計算機をもちいて帳簿書類を作成している場合には、税務署長に届出を提出し、その承認を受けることにより、紙での帳簿書類の保存を電子データで行うことができます。
提出期限は電子データの保存を開始しようとする日の3月前の日までです。事業年度開始の日から電子データでの保存をしたい場合には、決算日の3月前には提出が必要になりますので、提出期限にはご注意を。
また電子データ保存の承認を受けた場合でも、税務調査があった場合にはディスプレイで確認できる、すぐにプリントアウトできるなどの措置が必要です。
【編集後記】
カレンダーをいただく季節になりました。
報酬の自動引落サービスを利用している会社から早々にカレンダーらしき封書が送られてきていたのですが、どうせ風景写真だろうと思い机の上においたままにしていました。
しかし開けてみたら猫と犬!かわいい!即採用(笑)使います!