猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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法定相続人以外の人に遺産を残す「遺贈」という手続き

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法定相続人以外の人に財産を残したい時に、遺贈という手続きがあります。

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遺贈とは

遺贈とは、遺言により財産を無償で譲ることをいいます。

財産を譲る相手を受遺者といいますが、この受遺者には特に制限はありません。

この遺贈には

  • 「財産全体の〇〇割を遺贈する」というように割合を指定して遺贈をする包括遺贈
  • 具体的に財産の種類を指定して遺贈する特定遺贈

の2種類があります。

相続税がかかります

遺贈は「贈」という文字がつきますが、死亡により財産が移転しますので、贈与税ではなく相続税の対象になります。

計算の基本は相続人が財産を相続した場合と同じですが、受遺者が法定相続人でない場合には、下記のような注意点があります。

基礎控除額

相続税の基礎控除額は

3,000万円+600万円×法定相続人の数

で計算します。財産を受け取る側に、法定相続人でない受遺者が入っていても、上記の「法定相続人の数」には含みません。

死亡退職金、死亡保険金の非課税

相続人が死亡保険金や死亡退職金を受け取った場合、下記の非課税限度額を超えた金額のみ相続税の課税の対象となります。

非課税限度額=500万円×法定相続人の数

しかし法定相続人でない受遺者が死亡保険金や死亡退職金を受け取った場合には、非課税限度額の適用自体がありません。

もちろん法定相続人の数にも、法定相続人でない受遺者は含まれません。

税額は2割加算

法定相続人でない受遺者は、一親等の血族及び配偶者以外の者ですので、相続税額は、2割加算をされた金額になります。

さらに不動産を取得していると

相続により不動産を取得した場合には、地方税である不動産取得税はかかりません。しかし特定遺贈により不動産を取得した場合には不動産取得税が課されます。

遺言書と遺留分の関係

遺言書がある場合、遺言書の内容が法定相続分よりも優先されます。

ただし、一定の法定相続人には遺産のうち最低限取得できる遺留分というものがあります。

遺留分は兄弟姉妹以外の法定相続人に認められているもので、法定相続分のうち下記の割合までが遺留分となります。

1.直系尊属のみが相続人の場合には法定相続分の3分の1
2.上記以外の場合には法定相続分の2分の1

お世話になった人に財産を残したいと遺言書を作成しても、兄弟姉妹以外の法定相続人がいる場合には、裁判所に遺留分の減殺請求の訴えをおこされて、全てを渡すことはできない可能性もあります。

遺留分は血縁関係が近い相続人に認められている権利ですので、遺言書を作成するさいには、遺留分を侵害しない程度の内容にしておくのもひとつのやり方でしょう。

余談ですが・・・

最近後継者問題がクローズアップされたジャ〇ーズ事務所の社長は、公には子供がいないとされています。お姉さんがいらっしゃいますので、法定相続人は兄弟姉妹のみです。

従って、自身の財産を後継者や所属タレントに全て遺贈するという遺言書を書いた場合、お姉さんには遺留分の減殺請求権がないので、遺言書どおりに財産を渡すことができるわけですね。

【編集後記】

きまぐれ猫のおやつに~なんてCMがありましたが、うちの2匹は何でもガツガツ食べてくれます。

こんなご飯はいやだ!プイッ!なんてことはないですね。

逆に実家の猫は気まぐれさんらしく、もう食べてくれなくなったキャットフードがよく残っています。

そこで私が持ち帰り、うちの2匹にあげるというパターン。残飯整理係か???

なんでもガツガツって、飼い主に似たのかもしれません・・・

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