税理士、公認会計士、弁護士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、弁理士、一級建築士、士業といわれる資格はいろいろあります。
普段接していないと、この業務は誰に依頼すればよいかがわからないことも多いでしょう。
士業の業務の住み分けを整理してみたいと思います。
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会社をつくりたい時、法的手続きは何が必要?
まずは法務局で設立登記
会社をつくって事業を行う場合には、まずは法務局で法人の設立登記をしなければなりません。
この業務を請け負うのが司法書士です。
具体的には
- 定款作成
- 定款認証
- 設立登記申請
- 印鑑登録申請
- 取締役及び代表取締役の就任承諾書
- 資本の額の計上に関する証明書
- 払込証明書
などの書類を作成し申請を代行してくれます。ただし資本金の払い込みや定款の記載事項(本店所在地、会社の目的、資本金の額、発行株式数、役員など)を決めるのはその会社の発起人自身です。
上記の業務は弁護士でも依頼可能です。また行政書士には書類作成のみ依頼をすることができます。
税務に関わる役所への届出は?
これは税理士が行います。
会社の設立登記が済み登記簿謄本ができあがると、その情報をもとに各役所に届出を提出します。
税務関係の届出は、税務署と都道府県及び市区町村それぞれに提出します。
例えば川崎市川崎区に本店がある場合には、「川崎南税務署」「川崎県税事務所」「川崎市」に届出を提出します。(東京23区の場合は所轄税務署と所轄都税事務所のみです。)
所轄税務署には
- 法人設立届
- 青色申告の承認申請書★
- 給与支払事務所の設置届
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請★(従業員が常時10人以下の場合)
- 減価償却の償却方法の届出★
- 棚卸資産の評価方法の届出★
- 消費税課税事業者選択届出書★(原則免税事業者だが、課税事業者を選択して消費税の還付を受けたい場合)
- 事前確定届出給与に関する届出★(役員賞与を支払う予定がある場合)
などを提出します。★印のついているものは、提出が遅れると、適用を受けられるのが遅くなりますので、会社設立のタイミングで提出するのがよいでしょう。
都道府県と市区町村には法人設立届のみ提出します。
社会保険や労災、雇用保険の手続きは?
これは社会保険労務士へ依頼します。
年金事務所へ
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届
- 被保険者資格取得届
- 被扶養者(異動)届(被保険者に扶養家族がいる場合)
- 保険料口座振替納付申出書
労働基準監督署へ
- 労働関係設立届
- 労働保険概算保険料申告書
ハローワークへ
- 雇用保険適用事業所設置届
- 雇用保険被保険者資格取得届
- 労働者名簿
上記の書類などを提出します。労働基準監督署とハローワークは従業員を雇わない場合は必要ありません。社会保険は法人の場合強制適用になります。
それぞれさがすのは面倒だ・・・
こんな方もいると思います。
士業はお互いに他業種の士業の方とネットワークをもっている場合が多いので、顧問契約した税理士事務所事務所から司法書士や社会保険労務士を紹介してもらうということも可能です。
自分でできないだろうか?
- 設立登記
専門知識がなくてご自身で行う場合には、ちょっと難しい部分もあると思います。何度も補正を重ねて法務局へ出向く手間を惜しまなければ、全く無理ということはありません。
- 税務関係
届出の書き方だけならば、国税庁のホームページを見ながら作成することは可能だと思います。ただし税理士の場合には顧問契約をすることが多いので、顧問料の範囲内で設立関係の書類まで作成してもらうことが多いです。
- 社会保険関係
届出だけならそれぞれの役所でおしえてもらいながら作成することは可能だと思います。従業員の雇用問題を相談したり、社会保険の日常業務を社会保険労務士へ依頼するのであれば、その一貫で届出も依頼してしまうほうが早いでしょう。
【編集後記】
さきほど少しの間、国税庁のホームページもe-taxもアクセスができませんでした。
この時期たまにこのような状態になることがあります。以前半日くらいダウンしたことも・・・
申告は余裕をもって行ってください。