猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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初めての不動産所得の申告

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不動産所得の申告を個別記帳指導でレクチャーしたのですが、自分の目線ではなくて、申告が初めてという目線で対応することの大切さを感じました。

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年に1回しかしない確定申告をマスターしてもらう

税務署経由の個別記帳指導でお伺いしている方は、初年度のみのサポートです。

それも一人あたり3回から4回のレクチャーで今後自主申告ができるようになるというところを目指しています。

不動産所得の申告は、事業所得に比べると比較的シンプルで計算もまとめやすのですが、それは私が日々こういう業務を行っているから。

右も左もわからないところから始めれば、最初は不動産所得も事業所得も何が何やら?だと思います。

申告についての知識はほとんどないということを前提に、レクチャーしながら気づいた注意点などを書いてみたいと思います。

届出書の控えはある?

これは不動産所得に限らず、今年から確定申告をしなければならないという方に共通なのですが、届出書の控えが手元にない方が非常に多い。

税務署に提出したのみで自分の控えは作成していない、控えはあったと思うがどこにあるかわからないなど。

みなさん確定申告が必要だとわかった時点で、まずはたいて税務署に行かれているようです。

そこで「開業届」を提出することをおしえてもらい、さらに青色申告を進められ「青色申告承認申請書」を提出します。しかしその控えがなく、いざ申告という時になると自分は何の届出書を提出したのかわからないと。

開業届の控えは確認できなくても計算に影響はないのですが、青色申告承認申請書の控えがないと青色申告控除を受けてよいのかどうかがわかりません。税額にも影響してしまいます。

そんな時は税務署に照会してもらってください。本人であることを伝え、住所と名前を伝えればたいていおしえてもらえるはずです。

計算を始めよう

収入

不動産所得の場合、収入はもちろん家賃収入です。賃貸している家賃の入金方法は様々ですが、このようなものを用意すれば家賃収入の金額は集計できます。

  • 家賃が振り込まれる通帳
  • 現金で受け取っている場合には、領収書の控え
  • 不動産会社に管理を委託している場合には、1年分の賃貸管理表や支払調書

ここで注意したいのは、家賃から諸経費を差し引いて振り込まれている場合。

たとえば不動産会社が毎月家賃を回収し、そこから管理費を差し引いて家主に送金している場合には、収入に計上するのは管理費を差し引く前の家賃の総額です。(管理費は別途経費に計上します。)

経費

不動産所得を計算する上で、収入から差し引く経費は、不動産収入を得るために直接かかった経費の金額です。一般的なものをあげると、このような経費です。

  • 税金(固定資産税、印紙代、不動産取得税)
  • 保険料(火災保険料、地震保険料)
  • 借入金の利息(賃貸物件をローンで購入または建築した場合)
  • 修繕費(賃貸物件が破損した時などの修理代金)
  • 管理費(不動産会社に管理を委託している場合)
  • 減価償却費

①経費の注意点は不動産収入を得るために必要な経費なのか?ということ

経費になるのは不動産収入を得るためにかかった経費ですので、プライベートな支出は経費にはなりません。

②自宅を含む時には貸付割合に注意

賃貸物件の一部を自宅にしているという方もいると思います。このような場合、固定資産税も保険料も借入金利息も減価償却費も、自宅部分と賃貸部分に共通してかかっていることがほとんどです。

この場合には、それぞれの経費の総額に「貸付割合」をかけて、不動産経費を計算します。

[例]
マンションの1F~4F(床面積400㎡)賃貸、5Fは自宅(床面積100㎡)
固定資産税100,000円

貸付割合=400㎡÷(400㎡+100㎡)=0.8

不動産経費になる固定資産税 100,000×0.8=80,000円

同様に保険料や借入金利息も貸付割合をかけて計算します。

③初年度の減価償却費は月割計算

建物の取得価額を長年にわたり経費として計上する減価償却費ですが、賃貸の初年度は月割計算が必要になることもあります。

[例]
マンションの建築費総額50,000,000円
建物は鉄骨鉄筋コンクリート造→法定耐用年数47年
減価償却は定額法→償却率は0.022
賃貸開始:2018年3月(年末まで継続して賃貸している。)

建物の減価償却費=50,000,000×0.022×10/12=916,666

※翌年1年通じて賃貸した場合の減価償却費は
 50,000,000×0.022×12/12=1,100,000  になります。

 

電子申告のIDとパスワードは有効だろうか?

税務署に出向いた時に、届出書を提出するのと同時に電子申告の手続きをされている方もいると思います。

このIDとパスワードの取得も、電子申告をある程度理解してた上でおこなっている場合には問題ないのですが、まとめて色々手続きしたけれども細かい内容は理解していないという方も多いようです。

IDとパスワードの完了通知や、これらが記載されている用紙が手元にある場合には、まずログインできるかどうかをためしてみてください。

e-taxのページからメッセージボックスにログインできれば、IDとパスワードは有効です。(ID・パスワード方式を選択している場合には、一部のメールしか閲覧できませんが、ログインエラーでなければ使用は可能です。)

先日あったケースでなのですが、ID、パスワード、受付日付、受付番号まで記載されているのに、ログインしようとしたら「この利用者識別番号は廃止されています。」とエラーが出てしまいました。

このエラーは通常、IDとパスワードを持っているにもかかわらず、再度申請した場合に生じるのですが、お客様の方はそのような記憶はないと・・・

これは照会するしかないと思い、税務署にたずねてみたところ、この利用者識別番号とパスワード自体が納税証明を取得するための一時利用のIDとパスワードでした。

まれにこのようなケースもあるみたいです。

IDとパスワードがあってもログインができないと始まりませんので、申告前に試しにログインをしてみましょう。

【編集後記】

猫の鳴き声で何を訴えているかがわかるか?

と聞かれると、全てわかるとは言い難いです。

ご飯や抱っこくらいはわかるのですが、たまに何で鳴き続けているのかわからない時があります。

ここ2日間くらい、まおがトイレのあたりでやたらと鳴いており、「便秘で苦しんでいるのか?」と思ったのですが、そうでもない様子。

よく見るとトイレの一部に汚れがあるのです。これかなあ???と思いながら、とにかく掃除をしました。当たっていればよいのですが。

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