不動産を贈与しようという場合に、その不動産のローンがまだ残っているということも考えられます。
そのような時に、負担付贈与という方法があります。
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負担付贈与とは
負担付贈与とは、相手に一定の債務を負担させることを条件に財産の贈与をすることです。
贈与者が自身の不動産を受贈者に贈与するかわりに、その物件のローンも受贈者が負担するような場合がこれにあたります。
実際の取引の流れ
不動産にローンがあるということは、その不動産に抵当権が設定されています。
なのでまずは借入先の金融機関に連絡し、不動産を負担付贈与したいという旨を連絡しなくてはなりません。
そこで受贈者側がローンを引き受けた場合に債務弁済力(返済可能かどうか?)があるかどうかの審査を受けます。
そして審査が通ると、はじめて負担付贈与についての法的手続きを行います。通常は金融機関の紹介してくれた司法書士に依頼をすると流れもスムーズです。
この時に
- 不動産贈与契約書
- 債務脱退並びに免責的債務引受契約証書
- 登記申請書類
などを作成してもらいます。
不動産贈与契約書は贈与に関する契約を定めたもの。債務脱退並びに免責的債務引受契約証書は債務脱退者(贈与者)と債務者(受贈者)の債務脱退契約を定めたもの。そしてこれらに基づく登記申請書類です。
税金はどうなるのか
贈与税
贈与された不動産の価額からローンの金額を控除した価額が贈与税の課税価格となり、この課税価格に対して贈与税が課税されます。
贈与された不動産の価額は負担付贈与の場合、「通常の取引価額」を用います。(負担付でない不動産の贈与の場合は、課税価格は相続税評価額を用います。)
そしてこの「通常の取引価額」いわゆる時価がなかなか悩みどころです。
費用を支払って不動産鑑定士に鑑定評価をしてもらえば問題はないでしょうが、1件の不動産の負担付贈与にそこまでは・・・という場合もあると思います。
そこで一般に手に入れられる情報から、「通常の取引価額」を算出してみるには下記の方法が考えられます。
- 相続税評価額を0.8で割り戻す。
相続税評価額は公示価格の8割を目安に定められているため、相続税評価額を0.8で割り戻して「通常の取引価額」を求めます。 - 地元の不動産業者などに意見を聞いて算定する。
- 周辺の不動産売買に関する広告と比較して算定する。
とは言っても金額も大きくて不安な場合は、申告前に税務署の資産課税部門に相談してみてもよいでしょう。
所得税
忘れてしまいがちなのが、贈与者側に譲渡所得が生じる可能性があるということです。
所得税では贈与者がローンの金額をもって不動産を売却したものとみなして、下記の算式で譲渡所得を計算します。
譲渡所得=受贈者が引き受けたローンの金額ー(取得費+譲渡経費)
計算してマイナスの場合には申告義務はありませんが、プラスの場合には必ず申告が必要です。
【編集後記】
昼間に日陰の全くないパーキングに駐車をしていたら、戻ってくると社内が灼熱になっていました。
そこまでは予想していたのですが、社内に置いたままにしていたサングラスが熱い!!!
我慢してかけてみたらヤケドするかと思いました・・・これからの時期、社内にサングラス放置は危険ですね・・・