家内労働者等の必要経費の特例という制度があります。
家内労働というと内職のイメージが強いのですが、適用を受けられる方はいわゆる内職の方だけではありません。
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制度の概要
事業所得又は雑所得の金額は、総収入金額から実際にかかった必要経費を差し引いて計算します。しかし、家内労働者等の場合には、必要経費として65万円まで認められるという特例です。
この場合、実際にかかった必要経費が65万円未満であっても、必要経費として65万円まで認められます。
家内労働者等を正しく理解する
家内労働者等とは?
家内労働者等とは、下記のような方です。
- 家内労働法に規定する家内労働者(内職の方はこれに該当します)
- 外交員、集金人、電力量計の検針人
- 特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人
特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人
前述の家内労働者等の定義のうち、上の2者は具体的でわかりやすいと思います。
しかし一番下の「特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」という表現が少々わかりにくい。
要件をひとつずつみてみましょう。
①特定の人に対してということは不特定多数の者を相手にしている場合は該当しません。
よく紹介されている具体例ですが、自宅でピアノ教室を行っている先生は不特定多数の生徒さんを相手にできる状態なので家内労働者等ではありません。しかしヤマハ音楽教室と専属契約をしている先生は特定の者との契約なので家内労働者等に該当します。
税理士は特定のお客様を相手にしているように見えますが、不特定多数の方を相手にできる状態で営業していますので、家内労働者等には該当しません。
この場合の特定の人は複数であっても構いません。
②継続してということは、スポット案件では要件に該当しません。
③人的役務の提供を行うということは、物品販売ではなく、サービスの提供ということです。
こんな人達が家内労働者等に該当する
- 内職をされている方
- 電力会社の検針員
- 新聞、NHKの集金員
- ヤクルトレディ
- 特定の会社から下請けをしているWebデザイナー、プログラマー
- 特定の会社から委託されている保険外交員
- シルバー人材センターに登録して働いている方
- ユーチューバー
- アフィリエイター
- 特定の会社に所属しているピアノ講師
ここに注意
下記の場合には、適用に制限があります。
- 給与収入がある場合には、給与所得控除と合わせて65万円までです。従って給与の収入金額が65万円以上あるときは適用できません。
- 生命保険契約の個人年金受け取っている方は、必要経費になる既払い込保険料が65万円を超えている場合には適用できません。
添付書類など
確定申告書に「家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の適用を受ける場合の必要経費の額の計算書」を添付し、申告書第二表の「特例適用条文等」の欄に「措法27条」を記載します。
【編集後記】
毎年8月15日は、六郷土手で大田区の花火大会が行われます。
近いので、自宅マンションの渡り廊下からも見ることができます。
2,3日前までおぼえていたのですが、昨日はたまたまカーテンを早くしめてしまったせいなのか・・・花火に気づかず「今日も雷なってるんだ?」とトンチンカンな私・・・
後からSNSの投稿で花火だったことに気づき、自分のボケ具合にビックリしました(笑)