税理士紹介を行っている事務機器リースの販売代理店から、契約書のドラフトをもらってきたので、全て読んでみました。
疑問に思う箇所もちらほら。
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主な内容は
この会社が税理士事務所に紹介し、税理士事務所の売上増大に貢献し、その貢献に見合う対価を取得するというような内容です。
税理士事務所がリース契約を結ぶことを条件にとは記載されていませんが、おそらくリース契約が成立しない限りこの契約も結ばれないと思われます。
顧問先の件数に応じて月額報酬が発生
税務顧問契約が5件に達するごとに、定額の報酬が発生するというシステムになっています。 基準が顧問料の金額ではなく、件数になっているところがしっかりしてますね。
支払期間はその達した月から72か月、6年です。長いです。
継続している顧問契約件数がこの5件に達するごとの件数(5件、10件、15件・・・)を下回った場合には、その下回っている月については月額報酬の支払いを停止することができるそうです。
この部分の金額だけなら紹介会社よりも安いかもしれません。実際にはリース料が発生するので、そんなわけではないのですが。
違約金という制度
これは契約期間中の紹介による売上累計額(A)が、「契約期間中のリース料の総額」(B)に満たなかった場合には、この会社が税理士事務所に(B)から(A)を差し引いた金額を違約金として支払うという内容です。
営業の方は、この項目をやたらと強調してきます。最終的に税理士事務所側がリース料で損をすることがないようになっていますと。
実質は売上額とリース料がプラスマイナスゼロであっても、月額報酬も発生しています。そもそもその紹介売上のために6年間相当な時間も費やすわけですから、その説明だけで「それならいいですね。」とは言えません。
ちょっと気になった項目
この違約金の条項の他にも気になった条項がありました。
税理士事務所は、紹介された顧客との顧問契約が、税理士事務所の責めに帰すべき事由によらずに解除になった場合、ただちにその旨をこの会社に申告するとされていますが、この申告によって、この会社が契約解除について税理士事務所の責めに帰すべ事由がないと認める場合には、この解除により消滅した売上の額は紹介による売上の額に算入しないそうです。
ここについては、細かい説明は特になかったです。
しかし結構重要なことが書いてあります。
この内容は、裏を返すと、この会社が契約解除について税理士事務所の責めに帰すべ事由がないと認めない場合は、この解除により消滅した売上の額は紹介による売上の額に算入するということです。
紹介による売上の額は、違約金支払いの計算にも関係してきます。消滅した売上も含めて違約金を計算されると、違約金が発生しないというケースもあるのでしょうか?
また税理士事務所の責めに帰すべき事由かどうかを、この会社はどこで線引きして判断するのでしょうか?
この辺り、突っ込んで聞いてみたかったです。その場の説明は「違約金があるから税理士事務所は持ち出しになりません。」ばかりだったので、帰ってきて契約書のドラフトを読んでからこの部分の重要さに気づきました。
リース物件が必要な場合には有用かもしれない
私の場合、「ひとり税理士」というスタンスを変える気は全くなく、今回この会社で提供しているリース物件は全く必要がないので、否定的な記事になりました。
しかし、もともとこの複合機がほしかったというような事務所の場合には、リース料の発生は予算内であり、月額報酬だけ見ると紹介会社よりは安いですから、役に立つこともあるかもしれませんね。
【編集後記】
説明を受けた当日に「エントリー登録」をしなかったせいか、その後この会社からは何の音沙汰もありません(笑)
一応、その場で「お断りします。」とは言っておらず、「全部読んで検討します。」と伝えただけだったのですが・・・