猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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法人が支払う生命保険料① 費用or資産の判断は?

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法人が支払う生命保険料① 費用or資産の判断は?

法人が役員や使用人を被保険者として生命保険契約をする場合があります。

この時に支払う保険料は、保険の種類や保険金受取人などによって会計処理も様々。細かい契約形態まで注意が必要です。

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積立型か?掛捨てか?で大きく違う

法人が役員や使用人を被保険者として生命保険契約を締結する場合、まずはその契約が積立型か掛捨てかで会計処理は大きく異なります。

積立型の場合は、定期積金の積立と同じようなイメージです。
支払った保険料は「保険積立金」として資産に計上され、満期をむかえて保険金が支払われると、その保険金から資産計上されていた保険積立金の累計額を差し引いた金額が「保険金収入」として収益に計上されます。(損が出た場合には損失に計上します。)

掛捨ての場合には、支払った保険料のうち、当期に対応する金額を損金の額に算入します。

養老保険と定期保険の基本的な考え方

法人税基本通達9-3-4、9-3-5に規定されている養老保険(積立型)と定期保険(掛捨て)の処理が基本的な考え方です。表にまとめると下記のようになります。

養老保険

死亡保険金及び生存保険金の受取人が法人の場合死亡保険金及び生存保険金の受取人が被保険者又はその遺族の場合死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で生存保険金の受取人が法人の場合(※)
処理資産計上その役員又は使用人に対する給与として損金の額に算入
(役員又は使用人は給与所得に加算される)
保険料の2分の1に相当する金額は資産に計上し
残額は期間の経過に応じて損金の額に算入
勘定科目保険積立金給料手当又は賞与1/2:保険積立金
1/2:支払保険料

※これらの保険が役員や特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者としている場合には、支払保険料ではなく、当該役員又は使用人に対する給与となります。

定期保険

死亡保険金の受取人が法人の場合死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合(※)
処理期間の経過に応じて損金の額に算入期間の経過に応じて損金の額に算入
勘定科目支払保険料支払保険料

※これらの保険が役員や特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者としている場合には、支払保険料ではなく、当該役員又は使用人に対する給与となります。

定期付養老保険に係る保険料

定期付養老保険の場合には、保険料が養老保険料と定期保険料に区分されているかどうかで取扱いが異なります。

保険料の額が生命保険証券等で養老保険に係る保険料の額と定期保険に係る保険料の額とに区分されている場合は、それぞれの保険料の額について上記表の通りに取扱います。

保険料の額が区分されていない場合には、保険料の額全てを養老保険料の額として取り扱います。

契約書や経理処理の案内も確認する

保険会社の提供する生命保険は、種類も多く契約内容も多岐に渡ります。

会社によって、節税目的なので全額損金になるタイプを求めているか、積立型を求めているのかは違うはずですので、まずは契約前に保険会社から提案されている商品の会計処理も確認しましょう。

一見すると契約書の商品名だけでは会計処理が不明なものも多いですが、保険会社では法人が契約した場合の会計処理の案内を出しているところがほとんどです。

証券や契約書だけで会計処理がわからない場合には、この案内を参考して会計処理を確認できます。(手元にない場合は保険会社に直接連絡して会計処理を確認できます。)

契約内容と会計処理、両方を把握した上で、自社に適した保険を選ぶことが重要です。

【編集後記】

勤務していた頃はお湯を沸かすことしかしていなかった台所ですが、自宅で仕事するようになってからほぼ自炊をするようになりました。

そこで少し前から気になっていたセラミックのフライパンを購入。

熱伝導がよいので、中火以下で調理をするとのこと。本当に焦げ付きがなくきれいに焼き上がります。すごい!

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