猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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ローンの返済は費用ではない

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この仕事をしていてよく聞かれることのひとつ「返済は費用じゃないのですか?」という質問。

確かに、お金は出ていっているのに何で?と言いたくなるところです。まずはお金が入ってきた時からを含めて、全体の流れを見ていきましょう。

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金銭消費貸借契約

金銭消費貸借契約とは、将来返済することを約束したうえで、金銭を消費するために借り入れる契約のことです。

マイホームや賃貸用不動産を購入する時は

  • 金融機関と金銭消費貸借契約を結び金銭を借入れ
  • その金銭で不動産を購入する
  • 契約書で定められた期間で、元本と利息の支払い行う

という流れです。また購入した不動産に対して金融機関が抵当権を設定するのが一般的で、万が一返済が滞った時にはその不動産が差し押さえられることになります。

会社の運転資金や設備資金の借入れの場合は

  • 金融機関と金銭消費貸借契約を結び金銭を借入れ
  • その金銭を運転資金にあてるもしくは設備を購入する
  • 契約書で定められた期間で、元本と利息の支払い行う

という流れです。会社の場合には代表者の連帯保証がつくことが多いです。

借入時、収益にはならない

不動産購入のための借入れでも、会社の運転資金の借入れでも、借入時にお金は増えますが、その増えたお金が課税の対象になることはありません。

通常お金が増えた場合には

  • 会社の売上でお金が増えれば法人税
  • 個人の不動産収入でお金が増えれば所得税
  • 個人から個人への金銭の贈与なら贈与税

というように、課税の対象になるものです。

それが借入れをしてお金が増えても課税の対象にならないのは、借りたお金は将来返済をするからです。

課税の対象になる場合にはプラスのみですが、借入れの場合にはいったんプラスですが、同額を返済してマイナスになる、契約が終了すればプラスマイナスゼロの状態になります。

返済も費用ではない

従って借入れの返済をした時も費用にはならないのです。

ただしこの時に費用にならないのは元本の返済のみです。

借入れには必ず利息というものがついてきます。この利息部分は借りたものを返すだけという部分ではないので、費用になります。

借入れをして賃貸用不動産を購入した時に、不動産所得の計算上費用となるのは、月々の返済のうち利息の部分のみです。

会社の経理上も運転資金の月々の返済のうち利息部分のみが費用となり、元本部分は負債の減少です。

キャッシュアウトと損益計算に差異が生じる典型的なところです。

返済で資金は出ていっているが、費用になるのは利息部分だけなので、思ったより税金が出るということも考えられます。資金繰りを考える時はこの辺りの注意が必要です。

【編集後記】

今日はお客様とfreeeの導入設定の確認を色々と。

最初は慣れないので手探りですね。

それでも取込機能をかなり活用されているお客様なので、軌道に乗れば効率化が図れると思います。この先が楽しみです。

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