遺族に対して支払われる死亡保険金は、民法上と税法上で取扱いが異なります。
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民法と税法
相続税法の基本的な考え方は、民法の考え方を準用しています。
ただし法律が違うので、異なる点も。そのなかでも特徴的ものが税法上の「みなし相続財産」というものです。
被相続人の死亡により遺族に支払われる死亡保険金や死亡退職金は、民法上は受取人と固有財産として取り扱われるため、相続財産には含まれません。
しかし相続税法上は本来の相続財産ではないけれども相続税が課税される「みなし相続財産」となります。
こんな場合はどうなる?
遺留分の計算
遺留分は法定相続人に認められる最低限の相続分です。
この遺留分は、被相続人の相続財産の総額に、法定相続人それぞれに定められている遺留分の割合を乗じて計算します。
この計算をする場合の相続財産の総額に、税法上のみなし相続財産は原則として含まれません。従って死亡保険金の金額を遺留分の減殺請求の対象とすることは原則的にはできないのです。
ただし、特別の事情が認められる場合には、死亡保険金の請求権を民法上の「特別受益」に準ずるとして、遺留分の減殺請求の対象とされるという判例もあります。
相続放棄
相続放棄は民法上の相続財産の相続を放棄する手続きです。民法上は受取人の固有財産となる死亡保険金は含まれません。
従って、相続放棄の手続きを行っても、死亡保険金は受け取ることができます。
限定承認
限定承認とは、被相続人の相続財産の範囲内で、被相続人の負債を相続するという手続きです。被相続人に負債の金額が不明な場合などに行われます。
この場合も、相続財産に死亡保険金は含まれませんので、相続した被相続人の負債の弁済に死亡保険金を充当する必要はありません。
みなし相続財産の非課税枠に注意
相続税法上、死亡保険金や死亡退職金などの「みなし相続財産」を相続人が取得した場合には、「500万円×法定相続人の数」という非課税枠が設けられています。
この非課税枠の取扱いですが
①「相続放棄」の場合には、相続を放棄した者は相続人とみなされないため、上記の非課税枠の適用がありません。
②「限定承認」の場合には、相続財産の範囲内で負債も相続している相続人ですので、上記非課税枠の適用があります。
【編集後記】
車の定期点検に行ったところ、バッテリー容量がかなり下がっていました。
とくに冷暖房を使いすぎたり、オーディオだけを動かしたりした記憶もないのに・・・充電をしてもらい、今のところはバッテリーが寿命だということでもなさそうですが・・・。
ついでに洗車もお願いし、久しぶりに車体もきれいになりました。雨が降りませんように。