確定申告電話相談センターの問い合わせ電話、もっとも多いのは医療費控除です。
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昨年から始まった医療費通知の利用
これまで医療費の領収書を税務署に提出して医療費控除の手続きを行っていましたが、それが昨年から「医療費控除の明細書」を作成し、領収書は自宅で保管ということになりました。
それと同時に、これまでは医療費控除の添付書類として認められていなかった医療費通知の利用も可能になりました。
この医療費通知を利用する場合の問い合わせはとても多いです。
どこの金額を記載するのか?
医療費通知には病院を利用した日付、病院名、医療費の総額、窓口負担額などが記載されています。
この通知のどの金額を医療費控除の明細書のどの部分に書くのかという問い合わせは、1日何回も受けます。
まずⒶには通知書に記載されている窓口負担額(自己負担額)の合計を記載します。
そしてⒷ には、Ⓐ のうち2018年分に支払った金額を記載します。
というのも、医療費通知は健康保険組合ごとに通知書に記載されている医療機関の利用日が異なるのです。
きれいに2018年分が全て記載されていく組合もあれば、2018年の1月~10月分までしか記載されていない組合、2017年の年末くらいから2018年の途中までしか記載されていない組合など様々。
そこで2018年に窓口で支払った金額だけをⒷに記載することになります。医療費通知に2018年分しか記載されていない場合には、Ⓐ とⒷ は同じ金額になります。
最後に医療費通知を使用した場合には、医療費通知の原本を添付する必要があります。これはe-taxで申告した場合でも別途郵送が必要になります。その代わり、この分についての領収書は保管しておく必要はありません。
医療費通知にのっていないものは?
相談者の方のお話を聞いていると、2018年10月くらいまでしか記載されていない医療費通知が最も多いようです。
なので医療費通知に記載されていない分はどうしたらよいのか?という問い合わせも多数あります。
医療費通知に記載されていない分の医療費は、領収書を集計して「2医療費(上記1以外)の明細」に記載します。
医療費通知に記載されている期間は組合によって様々ですから、やはり申告が終わるまでは医療費の領収書はとっておいた方がよいでしょう。
交通費はどこへ記載するのか?
この質問も医療費通知に関する事項の次に問い合わせの多い質問です。
従来は紙に交通費を集計して、医療費の領収書と一緒に税務署へ提出していました。
それが医療費が添付不要となったため、一緒に送っていた交通費のメモ書きはどうすればよいのか?という質問。
交通費についても、「2医療費(上記1以外)の明細」の欄に記載します。
「電車代 ×××」「バス代 ×××」「タクシー代 ×××」というように、ある程度まとめて記載してもかまいません。
ただし集計に使用した計算明細のメモなどは、医療費の領収書と一緒にして保管するのがよいと思われます。
医療費控除についていのQ&Aを見ると、この点については細かいことがのっていないのですが、後日税務署から問い合わせがあった場合などを考慮して集計のもとになったものは残しておくべきでしょう。
【編集後記】
ID・パスワード方式を利用して、国税庁の確定申告書作成コーナーからの申告をサポートしました。
マイナンバーカードやカードリーダーがいらないのは、確かに便利です。
送信後の受付結果をきちんと保存しておかないと、メッセージボックスの完了通知は見られませんが、私のように仕事で行うのでなければ、これでも充分かなという気がします。
このID・パスワード方式はマイナンバーカードが普及するまでの暫定措置といわれていますが、このように便利だとかえってマイナンバーカード方式を選択する人は増えないような気が・・・