普段利用しているスポーツクラブの財務諸表を調べてみました。
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貸借対照表から見られる指標
会社の経営が順調に行われているか?を判断するのに、まずは損益計算書の売上高や当期利益の金額を目安にすることが多いと思います。
売上が順調に計上され、経常的に利益が出るようであれば、経営が安定していることのあらわれと言えるでしょう。
この他に、貸借対照表に記載されている資産、負債、資本の金額からも、その会社の経営状況の判断指標となる数字があります。
自己資本比率
貸借対照表の右側は、返済義務のある負債(他人資本)と返済義務のない資本(自己資本)で構成されています。
この負債と資本の合計を総資本と言いますが、総資本に占める自己資本の割合を自己資本比率といいます。
自己資本比率は下記の算式で計算されますが、自己資本の比率が高ければ高いほど、返済義務のない自己資金が多いということで経営が安定しているということになります。
自己資本比率=(自己資本÷総資本)×100
一般的に、40%以上であれば倒産のリスクはない、50%以上であれば優良と言われています。
流動比率
流動比率は短期的な支払能力を判断するための数字で、下記の算式で計算します。
流動比率=(流動資産÷流動負債)×100
流動資産は1年以内に現金化される資産で、流動負債は1年以内に支払うべき負債です。この算式で、流動負債の支払いを流動資産でまかなえるか?を検証します。
一般的に、150%以上であれば短期的な資金繰りは安定しており、200%以上だと優良と言われています。
逆に。100%を切ってしまうと、流動負債の支払いを流動資産ではまかなえていないこととなり、短期的な支払能力に不安があると見られます。
固定比率、固定長期適合率
固定資産の投資に充てた資金が自己資本でまかなわれているか?を示すのが固定比率。
固定資産の投資に充てた資金が自己資本及び固定負債の合計でまかなわれているか?を示すのが固定長期適合率です。
それぞれ下記の算式で計算します。
・固定比率=(固定資産÷自己資本)×100
・固定長期適合率={固定資産÷(固定負債+自己資本)}×100
固定比率や固定長期適合率の目安は100%以下ですが、固定比率が100%を超えていても固定長期適合率が100%以下であれば資金繰りは安定しているという場合もあります。
これらの指標をふまえて
大手スポーツクラブの財務内容を調べてみました。
サンプルとして参考にしたのは
- 株式会社ティップネス 2019年3月期決算公告
- JR東日本スポーツ株式会社 2019年3月期決算公告
- セントラルスポーツ株式会社 2019年3月期有価証券報告書
- 株式会社ルネサンス 2019年3月期決算短信
ティップネスとJR東日本スポーツ(ジェクサー)は官報情報から、セントラルとルネサンスは上場会社なので、ホームページのIR情報から調べました。
最初にティップネスの数字で比率を計算して、その流動比率の低さに目を疑ったのですが、その他のスポーツクラブも同じような特徴がありました。
流動比率、固定比率、固定長期適合率だけで見ると、短期的な資金繰りが厳しいのではないか?という数字ですが、自己資本比率は安定しています。
ちなみに4社とも当期純利益が計上されています。
この数字から見ると、やはりスポーツクラブは固定資産の投資額というのがかなり多大であるため、固定資産に投資した資金を利益で回収するには長い期間を要するといういうことがよくわかります。
ティップネスの株主は日本テレビ、JR東日本スポーツの株主はJR東日本、セントラルとルネサンスは上場会社というように、資本が大きく会社としての体力があるためこの状態でも安定して経営を続けられているのではないでしょうか?
何となく決算公告の数字を見ていただけだったのですが、これだけ同じような特徴があるのには驚きました。
【編集後記】
てるてる坊主を作ったのですが、台風が発生(泣)
SHOKICHIくん静岡公演、開催するかどうかは現在協議中で、当日の正午までに決定だそうです・・・
新幹線13時なのですが・・・朝から出発している人もいるだろうに・・・
なんとか無事にみんなが静岡に集まれますように!