小売業、卸売業、製造業など物を売る業種では、期末や月末に棚卸を行います。
これは売上原価を正しく把握するためですが、さらに物がどれくらいの期間で販売されるのかを把握するために在庫回転期間を算出するという方法があります。
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売上原価を計算する
これは初めて簿記を学ぶ時などに、よく目にする図解です。
会計期間を1月1日~12月31日、業種を小売業とすると
①期首棚卸は1月1日現在所有していた商品
②当期仕入は1月1日~12月31日に仕入れた商品
③期末棚卸は12月31日に所有している商品
売上原価は
売上原価=①+②-③
で計算します。
これはひとえに、当期1月1日~12月31日の期間に売り上げた商品の仕入れ値を正しく把握するため。それが売上原価です。この売上原価を正しく算出することで、当期の売上と売上原価が対応し、利益が正しく算出されます。
在庫を管理する
在庫回転期間とは?
商品を仕入れてからどれくらいの期間で販売されたかを見る指標として、在庫回転期間というものがあります。
在庫回転期間は下記の算式で計算します。
①月数で見る場合
在庫回転月数=(棚卸資産÷売上原価)×12
②日数で見る場合
在庫回転日数=(棚卸資産÷売上原価)×365
算式からもわかるように、棚卸資産と売上原価の比率を出し、その比率を月数もしくは日数にベースに換算しているわけです。
〈例〉棚卸資産 15,000 売上原価 50,000
在庫回転月数 (15,000÷50,000)×12=3.6月
在庫回転日数 (15,000÷50,000)×365=109.5日
上記の場合、物を仕入れてから売れるまでに、3.6月もしくは109.5日かかっているということになります。
種類別に把握して在庫を管理
在庫回転期間が短いということは物がよく売れているということで、逆に在庫回転期間が長いということは売れ行きが悪い,さらには滞留在庫を多くかかえてしまっている可能性も考えられます。
ただし在庫をかかえることを恐れて仕入れを少なめにした結果、販売する機会を逃してしまうというのは避けたいところです。
この在庫回転期間を商品の種別ごとこに算出することで、売れ筋商品を多く仕入れ、あまり売れない商品は仕入れを控えめにするなど、在庫管理を行うことができます。
この在庫回転期間、大まかな目安ですが、小売業や卸売業では20日~30日くらいが平均値のようです。
滞留在庫は貸借対照表上では資産に計上されたままですが、実際に資産価値がなくなっていることもあります。さらに処代までかかるようでは、実質マイナスの資産です。
そのような在庫をかかえないためにも、まずはざっくりと在庫回転期間を計算してみましょう。
【編集後記】
寝るさいに、そこそこ重さのある布団をかけて寝るのが好きです。
真夏は無理なのですが、毎年ギリギリまで夏掛けやタオルケットは使わずに重い布団をかけています。
しかし昨日とうとうギブアップしました。まだ6月ですが・・・暑くなるのが早いですね・・・