猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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住居を事務所にしたら 非業務用から業務用への転用です

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以前、自宅兼事務所の確定申告というテーマの中でさらっと書いたのですが、転用の場合の減価償却だけをとりあげてみます。

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非業務用から業務用に転用した場合の減価償却とは?

もともとは住まいとして購入した建物を個人事業のための事務所として使用することになった場合、もちろん事業所得の計算上減価償却の計算を行うのですが、建物の購入金額すべてが減価償却の対象になるわけではありません。

建物の購入金額が50,000,000円だとすると、その購入金額50,000,000円のうち

(A)住まいだった期間に対応する金額は、減価償却の計算の対象にはならず
(B)事務所として使用している期間の対応する金額のみ減価償却の計算の対象になります。

減価償却の計算を行う前に、まずはこの(A)と(B)をもとめなくてはいけない。これが非業務用から業務用へ転用した場合の減価償却計算の根本的な考え方です。

計算は決められたパターンで

非業務用から業務用へ転用した場合の減価償却は、所得税法施行令で細かく定められています。

[前提条件]

建物の購入金額:50,000,000
建物の取得年月日:平成14年10月31日
業務用となった日:平成28年11月1日
非業務用期間の年数:14年
建物の法定耐用年数:47年(旧定額法償却率 0.022)

①非業務用の期間におけるの減価の額をもとめる

これは上記(A)の部分です。下記の算式により計算します。

建物の購入金額×0.9×法定耐用年数の1.5倍に相当する年数の旧定額法償却率×非業務用期間の年数=減価の額

※1 減価の額を計算する時は旧定額法に準じて計算を行います。従って取得価額に0.9を乗じてから旧定額法の償却率を乗じます。
※2 1.5倍に相当する年数に1年未満の端数があるときは、1年未満の端数は切り捨てます。
※3 非業務用期間の年数に1年未満の端数があるときは、6月以上の端数は1年とし、6月に満たない端数は切り捨てます。 

[前提条件]で計算してみると

法定耐用年数47年×1.5=70.5年→70年 70年の旧定額法償却率 0.015

50,000,000×0.9×0.015×14=9,450,000

つまり50,000,000円のうち、9,450,000円については減価償却費にはならないということです。

②未償却残額相当額をもとめる

次に未償却残額相当額、(B)の部分をもとめます。減価償却の計算の対象となるのはこの部分の金額です。

建物の購入金額-減価の額=未償却残額相当額

従って、[前提条件]で計算してみると

50,000,000-9,450,000=40,550,000

この40,550,000円を、減価償却費として各年分の必要経費としていきます。

③減価償却費を計算する

業務用にしてからの減価償却の方法は、その資産の取得年月日によりことなります。(非業務用から業務用に転用した日ではありません。)

[前提条件]の場合、平成14年取得の建物なので旧定額法です。減価償却費の計算は下記のようになります。

〈平成28年分〉

減価償却費:50,000,000×0.9×0.022×2/12=165,000
平成28年末の未償却残高(期末残高):40,550,000-165,000=40,385,000

〈平成29年分〉

減価償却費:50,000,000×0.9×0.022×12/12=999,000
平成28年末の未償却残高(期末残高):40,385,000-999,000=39,386,000

その他の注意点

通常の減価償却の場合にも共通しますが、下記の点も注意してください。

土地の金額は含まれていないか?

土地及び建物で一つの契約をしている場合、分譲マンションを購入した場合などは、契約書の金額には土地の購入金額も含まれています。

この場合、契約書に記載されている消費税額から建物の金額をもとめる、それが不明な場合には土地と建物の評価額で案分するなどして、建物のみの購入金額を正しくもとめることが必要です。

土地と建物の内訳については別途記事を書いていますので、そちらもご参考に。

業務用が一部分の場合

建物を非業務用から業務用にはしたが、それは建物の一部分の場合には、減価償却費を算出したあとに事業用割合をかけるのを忘れないようにしましょう。

[前提条件]で、さらに事業用割合が50%だった場合、減価償却費の計算は下記のようになります。

〈平成28年分〉

減価償却費:50,000,000×0.9×0.022×2/12=165,000
      165,000×50%=82,500
平成28年末の未償却残高(期末残高):40,550,000-165,000=40,385,000
※未償却残高をもとめる時に差し引くのは、業用割合をかける前の金額です。

〈平成29年分〉

減価償却費:50,000,000×0.9×0.022×12/12=999,000
      999,000×50%=499,500
平成28年末の未償却残高(期末残高):40,385,000-999,000=39,386,000

【編集後記】

昨日、打ち合わせからの帰りに、踏切のなくなった産業道路を通ってみました。

これまで交通量が多く、横断歩道の大きいトラックがはみ出て止まっていることがしょっちゅうだったのですが、車の流れがとてもスムーズ。

流れがスムーズなせいか交通量が少なくなったように見えます。これは踏切がなくなった効果なのでしょうか?だとしたら効果絶大です。

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