不動産を共有で購入して、連帯債務でローンを組む。
住宅ローン控除を受ける時は、共有持分と債務負担割合をそれぞれ考慮して計算しなくてはなりません。
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共有持分とは
共有持分とは一つの物を複数の人が所有している場合の、それぞれの人の所有権の割合をいいます。
マイホームを夫婦の共同名義で購入したり、親の住んでいた家屋を兄弟が共有名義で相続する場合などがこれにあたります。
分譲マンションやオフィスビルの各部屋を所有する区分所有とちがい、共有持分は共有している人達の持分の境界線は目では見えません。
不動産を購入する場合、その共有持分はそれぞれの共有者がどれくらい購入資金を支出したのかによって決定します。
[例1]
- 一戸建て住宅 購入価格 50,000,000円
- 夫 自己資金 10,000,000
住宅ローン 35,000,000 - 妻 自己資金 5,000,000
①夫の共有持分 (10,000,000+35,000,000)÷50,000,000=0.9
②妻の共有持分 5,000,000÷50,000,000=0.1
債務負担割合
上記の[例1]だと夫の単独債務です。
これが夫婦の連帯債務になるとさらに債務負担割合というものが出てきます。住宅ローン控除の計算をする時はこの債務負担割合も考慮して計算を行います。
[例2]
- 一戸建て住宅 購入価格 50,000,000円
- 共有持分 夫0.9 妻0.1 ※共有持分は購入当時の夫婦の所得金額を考慮して決定します。
- 夫 自己資金 10,000,000
- 夫婦の連帯債務での住宅ローン 40,000,000
①まずはそれぞれの共有持分に応じて、負担すべき住宅ローンの金額を算出します。
夫の共有持分に応じた購入価格 50,000,000×0.9=45,000,000
上記のうち自己資金をのぞいた金額 45,000,000-10,000,000=35,000,000
妻の共有持分に応じた購入価格 50,000,000×0.1=5,000,000
上記のうち自己資金をのぞいた金額 5,000,000-0=5,000,000
②債務負担割合を計算します。
夫の債務負担割合 35,000,000÷40,000,000=0.875
妻の債務負担割合 5,000,000÷40,000,000=0.125
住宅ローン減税の計算
住宅ローン控除は、毎年借入金の年末残高に、居住を開始した年に応じた率を乗じて税額控除額を計算します。
連帯債務で住宅ローンを組んでいる場合には、連帯債務である借入金の年末残高にそれぞれの債務負担割合を乗じてから、居住を開始した年に応じた率を乗じます。
給与所得者の場合、2年目からは「住宅借入金等特別控除申告書」を勤務先に提出して住宅ローン控除の計算を行うことが多いと思います。
この「住宅借入金等特別控除申告書」には連帯債務の計算欄はもうけられていませんので、備考欄に連帯債務のうちいくらが自身の負担であるかを記載します。
【編集後記】
めずらしくベランダにすずめがやってきました。
さっきまで寝ていたはずの「まお」がつかさずやってきて、じーっと見つめています。
もう12年も家猫ですが、狩猟本能は残っています(笑)狩猟はしませんが。