北海道胆振東部地震が激甚災害に指定される見通しです。これから損害保険金の支払いも始まると思いますが、個人事業者の場合には注意が必要です。
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法人の場合はすべて収益にあげる
法人が損害保険金の支払を受ける場合には、その金額はすべて収益に計上します。
実際に損害を受けた場合には
- 滅失した棚卸資産や固定資産の帳簿価額は損失
- 原状回復のための費用は修繕費
- 保険会社から支払を受けた保険金は収益
として処理をします。保険金の金額により、差引でプラスになる場合もあれば、マイナスが残る場合もあります。
個人事業者の場合には
個人事業者の場合には、受けた損害の内容により処理の方法が異なります。
棚卸資産の損害について保険金
商品など棚卸資産について受けた損害により支払いを受けた保険金は、事業所得の金額の計算上、収入の金額に計上します。
滅失した棚卸資産の金額については、特に処理は行いません。年末に棚卸しを行うことで、損害により滅失した棚卸資産についてもそのまま仕入れに計上されることになります。
休業補償などの保険金
営業の全部又は一部の休止、転換又は廃止などの理由により当該業務の収益の補償として支払いを受ける保険金は、収入の金額に計上します。
休業などの間は収入がなくなるため、それを保険金で補うので、結果としてはプラスマイナスゼロに近いような状態が想定されます。
事業用の固定資産の損害について保険金
事業用の固定資産について受けた損害により支払いを受けた保険金は、非課税所得となります。収入の金額には計上しませんし、他の所得として課税されることもありません。
従って保険金が支払われる場合には、その損害を受けた固定資産の帳簿価額は、事業所得の計算上必要経費にはなりません。
ただし損害の金額が保険金の金額を超える場合には、保険金の額を差し引いた金額のみ必要経費に算入することができます。
[ケース1]
滅失した固定資産の帳簿価額 500 支払いを受けた保険金の金額 700 の場合
- 帳簿価額500→必要経費には算入できないので、相手科目「事業主貸」で帳簿価額を0にします。
- 保険金700→非課所得なので処理なし
実際には差額200は得をしたままということになります。
[ケース2]
滅失した固定資産の帳簿価額 600 支払いを受けた保険金の金額 300 の場合
- 帳簿価額から保険金の金額を差し引いた金額 600-300=300
この実質的な損害の金額300のみを必要経費に算入します。
支払通知や保険証券の確認を
個人事業者の場合には何の損害により支払われた保険金かによって取扱いが異なりますので、必ず支払通知や保険証券を確認して、正しい処理を行ってください。
【編集後記】
前回のKAT-TUNのコンサートから、グッズ販売時にグッズ販売アプリが導入されました。
事前にアプリで注文伝票を作成するようなものです。
これでスムーズに!ということなのですが・・・昨日の夕方プレ販売に行ったところ、列の進みが恐ろしく遅い・・・これなら15分くらいかと思っていたら、40分もかかりました。
口頭で伝えて、その場で電卓を打ってもらっていた頃の方が早かった気がするのは私だけでしょうか???