昨日テーマに取り上げた「資本的支出」ですが、この資本的支出があった場合に減価償却の計算はどうやって行うのでしょうか?
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減価償却の改正に伴い、「資本的支出」の減価償却方法も変更
減価償却に関しては、平成19年度の税制改正と平成23年12月改正という大きな改正が2度行われています。
平成19年税制改正では償却方法が見直され、従来の定額法は旧定額法、従来の定率法は旧定率法とされました。
そして平成23年12月改正では、定率法の償却率がさらに見直され、250%定率法から200%定率法に改正されました。
これに伴って、資本的支出の減価償却方法も、元々の資産の取得年月日や資本的支出の支出年度によって取扱が異なります。
平成19年3月31日以前に資本的支出をした場合
減価償却資産に対して平成19年3月31日以前に資本的支出をした場合には、その資本的支出の金額を既存の減価償却資産の取得価額に加算し、既存の減価償却資産の種類、耐用年数及び償却方法に基づいて、減価償却資産全体の償却を行なっていました。
平成19年4月1日以後に資本的支出をした場合
原則
減価償却資産に対して平成19年4月1日以後に資本的支出をした場合その資本的支出は、その支出金額を固有の取得価額として取り扱われます。
つまり資本的支出の対象資産である既存の減価償却資産本体(以下、「旧減価償却資産」といいます。)と種類及び耐用年数を同じくする新たな減価償却資産(以下、「追加償却資産」といいます。)を取得したものとしてその種類と耐用年数に応じて償却を行うこととなります。
一方、旧減価償却資産については、この資本的支出を行った後においても、既に採用されている償却方法による償却を継続して行うこととなります。
※なお、旧減価償却資産について定率法を選定している場合には平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に行われた資本的支出は250%定率法、平成24年4月1日以後に行った資本的支出は200%定率法により償却を行うこととなります。
特例
平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産に資本的支出を行った場合(加算の特例)
平成19年4月1日以後に行った資本的支出が、平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産に対してされたものである場合には、その資本的支出の金額を旧減価償却資産の取得価額に加算して償却を行う方法も認められます。
この場合には、平成19年3月31日以前に取得された旧減価償却資産の種類、耐用年数及び償却方法に基づいて、減価償却資産全体の償却を行うこととなります。
定率法を採用している既存の減価償却資産に資本的支出を行った場合(合算の特例)
適用される償却率が同じ旧減価償却資産と追加償却資産については、資本的支出事業年度の翌事業年度開始の時において、その旧減価償却資産の帳簿価額と追加償却資産の帳簿価額との合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとすることができます。
この場合、新たに取得したものとされる一の減価償却資産については、翌事業年度開始の日を取得日として、旧減価償却資産の種類及び耐用年数に基づいて償却を行うこととなります。
※ただし平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得された旧減価償却資産に対して、平成24年4月1日以後に資本的支出を行った場合には、旧減価償却資産は250%定率法、追加償却資産は200%定率法により、それぞれ異なる償却率が適用されるため、この特例の適用はありません。
【編集後記】
月曜日から急に寒くなりましたね。
先週はあんなに暖かったので、リビングのラグを片付けようと思ってましたが中止。
今日も厚手のシャツで外出です。油断できないですね。