このところ世間を騒がせている一般社団法人日本アマチュアボクシング連盟。
一般社団法人は、法人税法上、公益認定を受けている公益社団法人、公益認定を受けていない一般社団法人のうち非営利型法人、公益認定を受けていない一般社団法人のうち非営利型法人以外の法人に区分され、取扱に違いがあります。
スポンサーリンク
フローチャートを進めてみる
一般社団法人はまず公益認定法に基づく公益認定を受けた公益社団法人に該当するか否か?
さらに該当しない場合には、法人税法上の非営利型法人の要件を満たすものか否か?
を判定します。フローチャートを進めると下記のようなイメージです。(国税庁HPより)
公益認定
公益目的事業を行うことを主たる目的とするなどの一定の基準に適合している一般社団法人は、 行政庁(内閣総理大臣や都道府県知事)から公益認定を受けることにより、公益社団法人となります。
公益社団法人は、その営む事業が公益目的事業と公益目的事業以外の事業に区分され、公益目的事業事業以外の事業のうち、法人税法上の収益事業のみが法人税の課税の対象となります。
非営利型法人に該当するか否か?
公益認定を受けていない一般社団法人のうち、次の①又は②に該当するもの(それぞれの要件の全てに該当する必要があります。)は、非営利型法人になります。
①非営利性が徹底された法人
1.剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。
2.解散したときは、残余財産を国・地方公共団体や一定の公益的な団体に贈与す ることを定款に定めていること。
3.上記1及び2の定款の定めに違反する行為を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。
4.各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数 の3分の 1 以下であること。
②共益的活動を目的とする法人
1.会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること。
2.定款等に会費の定めがあること。
3.主たる事業として収益事業を行っていないこと。
4.定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと。
5.解散したときにその残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定款に定めていないこと。
6.上記1から5まで及び下記7の要件に該当していた期間において、特定の個人 又は団体に特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと。
7.各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数 の3分の 1 以下であること。
剰余金の分配、解散した時に残余財産の帰属などが、非営利型法人の特徴的なところです。
公益財団法人の認定とは異なり、行政庁の認定は必要ありません。
この非営利型法人に該当する場合には、その法人が営む全ての事業のうち法人税法上の収益事業のみが法人税の課税の対象となります。
一方、非営利型法人以外の法人は全ての事業が課税の対象となり、法人税法上は普通法人と同じ取扱になります。
収益事業とは?
公益社団法人や非営利型法人に該当する一般社団法人について、法人税が課税される収益事業とは次の 34 の事業で、継続して事業 場を設けて行われるものをいいます。
1 物品販売業 2 不動産販売業 3 金銭貸付業 4 物品貸付業 5 不動産貸付業 6 製造業
7 通信業 8 運送業 9 倉庫業 10 請負業 11 印刷業 12 出版業 13 写真業 14 席貸業
15 旅館業 16 料理店業その他の飲食店業 17 周旋業 18 代理業 19 仲立業 20 問屋業
21 鉱業 22 土石採取業23 浴場業 24 理容業 25 美容業 26 興行業 27 遊技所業 28 遊覧所業
29 医療保健業 30 技芸教授業 31 駐車場業 32 信用保証業 33 無体財産権の提供等を行う事業
34 労働者派遣業
一般社団法人日本アマチュアボクシング連盟はどれに該当するのか?
まずは公益社団法人の認定についてですが、これは東京都主税局が「公益財団・社団法人一覧」というものを公開しています。
そこに掲載されていませんでした。またホームページでも一般社団法人となっていることから、公益認定は受けていないと思われます。
そして非営利型法人に該当するがどうかという点について。
一般社団法人日本アマチュアボクシング連盟の定款をインターネット上で確認することができました。
これによると
(剰余金の分配の禁止)
第37条 この法人は、剰余金の分配を行うことができない。(残余財産の帰属)
第38条 この法人が清算をする場合において有する残余財産は、総会の決議 を経て、国若しくは地方公共団体又は公益社団法人及び公益財団法人の認定 等に関する法律第5条第17条に掲げる法人であって租税特別措置法第40 条第1項に規定する公益法人等に該当する法人に贈与するものとする。
とされています。おそらく非営利型法人に該当する一般社団法人ではないかと思われます。
従って、営む全ての事業のうち法人税法上の収益事業のみが法人税の課税の対象となるのではないかと。
ちなみに、こちらも最近よく耳にする日本オリンピック委員会は公益認定を受けていました。
従って、公益目的事業事業以外の事業のうち、法人税法上の収益事業のみが法人税の課税の対象となるというわけです。
【編集後記】
先日の「○○○○ 税理士」の続き。
「EXILE SHOKICHI 税理士」「SHOKICHI 税理士」「KAT-TUN 税理士」でも、検索で1ページ目に上がってくることができました!
特に「EXILE SHOKICHI 税理士」「SHOKICHI 税理士」は上位独占です(笑)