上場株式の売買で生じた損失は、上場株式の配当所得と通算したり、翌期に繰り越したりことができますが、添付書類が必要です。
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損益通算は「上場株式等」と「一般株式等」で分けて行う
株式の売買で生じた譲渡所得(黒字)と譲渡損失(赤字)は、①上場株式等の売買により生じたものと②一般株式等の売買により生じたものに区分し、それぞれの区分の中でなら損益通算つまり黒字と赤字を相殺することができます。
上場株式等とは、株式等のうち取引相場があり時価がわかる下記のものをいいます。また下記に該当するもの以外を一般株式等といいます。
- 金融商品取引所に上場されている株式等
- 店頭売買登録銘柄として登録されている株式(出資及び投資口を含みます。)
- 店頭転換社債型新株予約権付社債
- 店頭管理銘柄株式(出資及び投資口を含みます。)
- 日本銀行出資証券
- 外国金融商品市場において売買されている株式等
- 公募投資信託の受益権
- 特定投資法人の投資口
- 公募特定受益証券発行信託の受益権
- 公募社債的受益権
- 国債及び地方債
- 外国又はその地方公共団体が発行し、又は保証する債券
- 会社以外の法人が特別の法律により発行する一定の債券
- 公社債でその発行の際の有価証券の募集が一定の公募により行われたもの
- 社債のうち、その発行の日前9月以内(外国法人にあっては、12月以内)に有価証券報告書等を内閣総理大臣に提出している法人が発行するもの
- 金融商品取引所(これに類するもので外国の法令に基づき設立されたものを含みます。)においてその規則に基づき公表された公社債情報に基づき発行する一定の公社債
- 国外において発行された公社債で、次に掲げるもの
- )有価証券の売出し(その売付け勧誘等が一定の場合に該当するものに限ります。)に応じて取得した公社債(売出し公社債)で、その取得の時から引き続きその有価証券の売出しをした金融商品取引業者等の営業所において保管の委託がされているもの
- )売付け勧誘等に応じて取得した公社債(売出し公社債を除きます。)で、その取得の日前9月以内(外国法人にあつては、12月以内)に有価証券報告書等を提出している会社が発行したもの(その取得の時から引き続きその売付け勧誘等をした金融商品取引業者等の営業所において保管の委託がされているものに限ります。)
- 外国法人が発行し、又は保証する債券で、次に掲げるもの
- ) 次に掲げる外国法人が発行し、又は保証する債券
- その出資金額又は拠出をされた金額の合計額の2分の1以上が外国の政府により出資又は拠出をされている外国法人
- 外国の特別の法令の規定に基づき設立された外国法人で、その業務がその外国の政府の管理の下に運営されているもの
- ) 国際間の取極に基づき設立された国際機関が発行し、又は保証する債券
- ) 次に掲げる外国法人が発行し、又は保証する債券
- 銀行等又はその銀行等の関連会社が発行した社債(その取得をした者が実質的に多数でないものとして一定のものを除きます。)
- 平成27年12月31日以前に発行された公社債(その発行の時において同族会社に該当する会社が発行したものを除きます。)
損益通算しても損失が残ってしまったら?
上場株式等の譲渡損失
上場株式等を金融商品取引業者等を通じて売却したこと等により生じた損失の金額がある場合は、確定申告により、
①その年分の上場株式等の配当等に係る配当所得等の金額(上場株式等に係る配当所得については、申告分離課税を選択したものに限ります。)と損益通算ができます。
②また、損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得等の金額から繰越控除することができます。
国税庁HPより
一般株式等
一般株式等の譲渡損失は、他の一般株式等の譲渡所得と損益通算をし、損益通算をしてもなお譲渡損失が残る場合には、その譲渡損失の金額はなかったものとみなされます。
適用を受けるための手続き
上場株式等の譲渡損失と上場株式等に係る配当所得等に金額との損益通算、また上場株式等の譲渡損失の繰越控除の適用を受けるためには、下記の要件があります。
(1) 上場株式等に係る譲渡損失と上場株式等に係る配当所得等との損益通算
この損益通算の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、この規定の適用を受けようとする旨を記載し、「所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」及び「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」の添付がある確定申告書を提出すること。
(2) 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
イ 上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年
「所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」及び「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」の添付がある確定申告書を提出すること。
ロ 翌年以降
連続して「所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」の添付のある確定申告書を提出すること。
(注) 上場株式等の譲渡がなかった年も、譲渡損を翌年へ繰り越すための確定申告が必要です。
ハ この繰越控除を受けようとする年
「所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」及び一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得等の金額がある場合には「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」の添付のある確定申告書を提出すること。
これを添付します
下記の書類を添付することが適用要件ですので、添付もれのないように注意してください。
株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
「所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」
【編集後記】
お客様のところで、確定申告書作成コーナーの入力をレクチャーしていたところ、突然画面が止まりました。
幸い、なんとか動いたので、それまでの入力内容をやりなおしということはなかったのですが・・・
確定申告書作成コーナーは面倒でもマメにデータ保存しないとダメですね。今度もまだまだ続くので、気をつけなくては。