平昌オリンピック、毎日色んなドラマを見せてもらって興奮しました。
選手の皆さんお疲れ様でした。
このところメダリストの報奨金の話題がメディアで取り上げられていますが、これも税金の対象になる部分があります。
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そもそも何所得?
メダリストの方が支払いを受ける報奨金、いつくかの種類が考えられます。
①財団法人日本オリンピック委員会(JOC)から支払いを受ける報奨金
②各競技団体から支払いを受ける報奨金
③スポンサーから支払いを受ける報奨金
④所属企業から支払いを受ける報奨金
まず①~③は一時所得になります。そして④は所属している企業からの賞与、つまり給与所得です。
非課税の規定
所得税法では?
所得税法第9条1項では「次に掲げる所得については、所得税を課さない。」と定めており、その14号がオリンピックの報奨金についてです。14号での定めは下記のとおり。
「オリンピック競技大会又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会、財団法人日本障害者スポーツ協会その他これらの法人に加盟している団体であつて政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するもの」
つまり財団法人日本オリンピック委員会(JOC)とその加盟団体から支給される金品で財務大臣が指定するものには所得税を課さないということです。
その加盟団体って?
所得税法に定められている「財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の加盟団体」ですが、JOCのホームページで確認することができます。今回の平昌オリンピックだと下記の団体が該当すると思われます。
(公財)全日本スキー連盟
(公財)日本スケート連盟
(公財)日本アイスホッケー連盟
(公社)日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟
(公社)日本カーリング協会
(一社) 日本バイアスロン連盟
財務大臣が指定するものとは?
ここは条文の最後にさらりと記載されていますが、重要な部分です。
これは平成22年3月31日財務省告示102号に記載されています。
「財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の加盟団体」から支払いを受ける金品のうち下記の金額までは所得税が課されませんという内容です。
- 金メダル 300万円
- 銀メダル 200万円
- 銅メダル 100万円
つまりJOCに加盟している各競技団体から支払われる報奨金は、上記を超えると課税されるということです。
まとめてみると
最初の列挙した報奨金についてまとめてみると、こうなります。
①財団法人日本オリンピック委員会(JOC)から支払いを受ける報奨金
→全額非課税
②各競技団体から支払いを受ける報奨金
→JOCの加盟団体から支払いを受けるものは非課税限度額をこえた部分のみ課税
JOCの加盟団体に該当しない団体から支払いを受けるものは一時所得として課税
③スポンサーから支払いを受ける報奨金
→一時所得として課税
④所属企業から支払いを受ける報奨金
→給与所得として課税
平成30年分の所得税及び平成31年分の住民税は要注意
以上のように、オリンピックのメダリストともなると非課税の報奨金だけではなく、課税される報奨金の支払いを受ける可能性が大いにあるでしょう。
報奨金で突然収入が上がった場合には、来年の今頃に申告納付する平成30年分の所得税や、さらにその所得税をもとに課税される平成31年分の住民税まで考慮して、使い道を考えるようにした方がよいですね。
【編集後記】
アイキャッチ画像は金メダルの「ゆずくん」です。
羽生選手は「ゆづくん」なので、一文字違いますが。
気持ちよく昼寝をしているところを起こし、無理矢理撮りました・・・・