死亡による退職があった場合には、源泉徴収について、通常の退職と異なる取り扱いをすることがあります。
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給与
死亡の日より給与支給日が後かどうか
死亡した者に対する給与で、その者の死亡後に給与支給日の到来するものについては、相続税の課税対象となるため、所得税を源泉徴収する必要はなく、「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」欄に含める必要もありません。
なお、死亡時までに給与支給日の到来している給与については、通常通り源泉徴収をし、「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」欄にも含めます。
給与には通常「締日」と「支給日」がありますが、この判定の基準になるのは会社や事業所ごとに定められている所定の給与支給日です。
[例]
給与締日:毎月20日
給与支給日:毎月25日
- 死亡の日が9月23日の場合→9月25日に支払われるべき給与は相続税の課税対象となるため、所得税の源泉徴収は不要
- 死亡の日が9月27日の場合→9月25日に支払われるべき給与は所得税の課税対象となり、所得税の源泉徴収が必要
最終給与で年末調整
給与支払者である会社や個人事業者は、最終給与で年末調整を行い、相続人に源泉徴収票を交付します。
上記の[例]の場合
- 死亡の日が9月23日の場合→最終給与は8月25日支給分の給与
- 死亡の日が9月27日の場合→最終給与は9月25日支給分の給与
受取った側の取扱い
死亡した者に対する給与で相続税の課税の対象となるものは、本来の相続財産となり、「未収入金」として(死亡の日時点では未払いのため)相続税の課税価格に算入します。
また死亡退職により交付された源泉徴収票の金額をもとに、死亡の日から4カ月以内に準確定申告を行う必要があります。
退職金
遺族に支払われた退職金は相続税の課税の対象
死亡した者に対する退職金(その者の死亡後3年以内に支給が確定したもの)が遺族に支払われた時には、その退職金の金額は、相続税の課税の対象になります。
従って所得税の源泉徴収は必要ありません。
受取った側の取扱い
死亡した者に対する退職金で相続税の課税の対象となるものは、みなし相続財産となり、相続税の課税価格に算入します。
ただし下記の非課税限度額以下の金額は課税されません。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
※相続人以外の人が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。
また、その者の死亡後3年経過後に支給が確定した退職金については、その支払いを受ける遺族の一時所得となります。
【編集後記】
昨日も激しいゲリラ豪雨でしたね。
私が一昨日恐る恐る通貨した臨海トンネルは、通行止めになったようです。
道路に車ごとザブンと飛び込むのは非常に怖いですから、懸命なご判断かと。9月は天気が荒れることが多いから車も油断できませんね。