猫のいる税理士事務所 河津牧子のブログ

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使用人が役員になった時の退職金

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法人の使用人が役員に昇格した場合、昇格時点で使用人としての退職金を支払うことがあります。

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まずは退職給与規定

法人の使用人が役員に退職した場合

  • 役員昇格時に使用人分の退職金を支払、役員退任時に役員分の退職金を支払う
  • 役員退任時に使用人分と役員分の退職金を合算して支払う

ということが考えられます。

どちらの方法で支払うかは、まずは退職給与規定ありき。税法上どちらかでなくてはならないといことはなく、その会社の退職金給与規定によりけりということです。

法人税法上の規定

その上で、法人税法、役員昇格時に使用人分の退職金を支払うには、一定の定めがあります。

未払金計上はできない

法人の使用人が役員に昇格した場合において

①退職給与規程に基づき
②使用人であった期間の退職金として計算される金額を支給したとき

その支給した金額は、その事業年度の損金の額に算入されます。

ただし、未払金に計上した場合には損金の額に算入されません。あくまで支出した事業年度の損金の額ということです。

使用人兼務役員から使用人兼務役員以外の役員になった場合

この場合、その支給した金額が次のいずれにも該当するものに限り、その支給した金額は使用人としての退職金として取り扱われます。

①過去において使用人から使用人兼務役員に昇格した者であり、その昇格をした時に使用人であった期間に係る退職金の支給をしていないこと。
②支給した金額が使用人としての退職給与規程に基づき、使用人であった期間及び使用人兼務役員であった期間を通算して、その使用人としての職務に対する退職金として計算され、かつ、退職金として相当な金額であると認められること。

上記の要件をみたさないものは、たとえ使用人の職務に対する退職金として計算されているときであっても、その役員に対する退職金以外の給与となります。

この場合、定期同額ではない臨時の支給になりますので、役員賞与となるでしょう。

そうなると会計上は役員賞与として費用計上してもの、法人税を計算する上では損金の額に算入されず、その分税額が高くなる可能性が高くなります。

退職給与規定の制定や改定

法人が退職給与規程を制定又は改正して

  • 使用人から役員に昇格した人に退職金を支給することとした場合に
  • その制定等の時に既に使用人から役員に昇格している人の全員使用人であった期間の退職金を支給したときは

その支給が次のいずれにも該当するものについてのみ、その支給した金額を損金の額に算入することが認められます。

①過去において、これらの人に使用人であった期間の退職金の支給をしていないこと。(※)
②支給した退職金の額が、その役員が役員となった直前の給与の額を基礎として、その後のベースアップの状況等をしんしゃくして計算される退職金の額として相当な金額であること。

(※)中小企業退職金共済制度又は確定拠出年金制度への移行等により、退職給与規程を制定又は改正し、使用人に退職金を打切支給した場合でも、その支給に相当の理由があり、かつ、その後は過去の在職年数を加味しないこととしているときは、過去において、退職金を支給していないものとして取り扱われます。

【編集後記】

最近よく毛をはくので、換毛期だろうな・・・と思っていたのですが・・・

なかなかブラッシングしてあげておらず、こんなことになっていました。

もう少し早くブラッシングしてあげればよかった(汗)

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