電子申告を利用している場合、ダイレクト納付という手続きを利用することができます。
先週テーマにした振替納税は、個人の所得税と消費税についてのみの制度でしたが、ダイレクト納付は法人でも利用することができます。
毎月の源泉税納付をはじめ、予定納税も確定納付も、簡単に行うことができます。
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利用するには何が必要?
ダイレクト納付を利用するには、まず電子申告の利用をしていることが必要になります。そしてダイレクト納付のサービスを提供する金融機関に口座を有していることです。
手数料はかかりませんし、インターネットバンキングの契約も不要です。
利用可能金融機関は国税庁のホームページで確認できます。ダイレクト納付がスタートした頃は、この利用可能金融機関が少なくて、お客様にあまりお勧めできなかったのですが、今では多くの金融機関で利用できるようになりました。
申込みから利用開始までは多少時間がかかる
電子申告の利用と金融機関が確認できたら、「国税ダイレクト方式電子納税依頼書 兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を所轄の税務署に提出します。
この書類も振替納税の申込み同様、金融機関届出印の押印が必要になりますので、書面でしか提出することはできません。
届出書提出から利用可能になるまでは20日から30日の期間を要します。利用可能金融機関が掲載されているページに届出から利用開始までのおおよその日数も記載されています。少し長めですよね。多少時間がかかってしまうのが唯一のマイナス点ではないかと思います。
利用可能になると電子申告のメッセージボックスにお知らせが来るので、メッセージを確認したら早速利用開始です。
届出をしたら必ずダイレクト納付ではなく、選択肢のひとつ
ダイレクト納付は届出をし、利用可能になると、必ずダイレクト納付で納付をしなければならないという制度ではありません。
選択肢の一つに加わるだけで、利用開始後も紙の納付書での納付は可能です。
振替納税の場合は口座振替依頼書を出すと、取りやめない限り口座引き落としが続きますので、その点がダイレクト納付とは大きく違います。
納付の流れ
①まずは電子申告を行います。
②メッセージボックスを確認します。
③メッセージボックスの受信通知に「いますぐ納付される方」「期日を指定して納付される方」という2種類のボタンがついてきますので、どちらかを選んでクリックします。
④納付が完了するとメッセージボックスに「ダイレクト納付完了通知」が届きます。
メッセージボックスにログインする時のみ電子申告の利用者識別番号とパスワードが必要ですが、それ以降はクリックや期日指定の入力のみで簡単に納付が行えます。
お客様への導入
ダイレクト納付を導入されているお客様とやりとりを行う場合は、私はこのように作業を分担しています。
①電子申告で申告データ(納付データ)送信⇒税理士
②メッセージボックスの受信確認⇒税理士
③私からお客様へ申告が正常終了した旨をメールで連絡
④メッセージボックスの受信通知にある納付のボタンをクリックして納付⇒お客様
お客様の場合には税理士側で代理送信しますので、納付のみをお客様でやっていただいています。
事前の残高確認は必須!
メッセージボックスのボタンをクリックするのは簡単のですが、残高不足には注意しなくてはなりません。
インターネットバンキングの契約は必須の条件になってはいませんが、パソコンで残高を確認できる状態で運用した方が安心だと思います。
残高確認が面倒だし納付書で払う方がいいという方も、利用できる状態にしておけば、いざという時に役に立つのではないでしょうか。
【編集後記】
猫の寝場所で季節を感じます。
真冬は押入れなのですが、暖かくなってきたので、あまり陽当たりのよくない寝室でも寝ているようになりました。
人間よりも温度を敏感に感じ取っています。