相続税は亡くなった方の財産に対して課税されますが、その課税価格が基礎控除を超えなければ申告義務はなく、納める税金もありません。
平成27年に相続税法の改正があり、この基礎控除が縮小されたため、それまでよりは課税される範囲は広くなりました。
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基本の考え方
相続税は被相続人(亡くなった方)の財産の課税価格が基礎控除を超えた場合に、申告が必要になります
相続税の課税価格とは
相続税の課税価格は、被相続人の相続開始時(亡くなった時)のプラスの財産からマイナスの財産及び葬祭費用を差し引いた後の金額です。
プラスの財産
プラスの財産はいわゆる遺産と呼ばれるもの。被相続人名義の財産で具体的には下記のようなものが考えられます。
- 土地
- 建物
- 預貯金
- 株式などの有価証券類
- 貸付金などの債権
- 保険金(保険金額から「500万円×法定相続人の数」を差し引いた金額)
- 死亡退職金(死亡退職金額から「500万円×法定相続人の数」を差し引いた金額)
この時、土地や建物は相続税評価額の金額です。
土地の場合、相続税評価額は時価の約8割です。
建物の場合、相続税評価額は固定資産税評価額です。
また上場株式など相場のあるものは、相続開始時の相場と当月、前月、前々月の月平均を元に相続税評価額を計算します。
マイナスの財産
マイナスの財産は被相続人名義の負債などで、具体的には下記のようなものが考えられます。
- 借入金
- 未払金(相続開始時に未払いになっている被相続人名義の税金、水道光熱費、病院代など)
基礎控除額の計算
基礎控除は下記の算式で計算した金額です。
3,000万円+600万円×法定相続人の人数=基礎控除額
つまり法定相続人が多いほど、基礎控除額も大きくなります。
法定相続人とは
法定相続人はまず配偶者相続人と血族相続人に分かれます。
この規定は相続税法には定義されておらず、民法の規定を準用しています。
配偶者相続人
これはその名のとおり被相続人の配偶者です。戸籍上の配偶者に限られ、内縁関係者は含まれません。
血族相続人
血族相続人には優先順位があります。
①まずは被相続人の直系卑属。親族関係図を書くと真下の関係。つまり子供、子供が死亡している場合には孫、子供も孫も死亡している場合は曾孫とひたすら真下に降りていきます。
②この直系卑属がいない場合には直系尊属。親族関係図を書くと真上の関係。親、親が死亡している場合には祖父母、親も祖父母も死亡してる場合には曾祖父とひたっすら真上にさかのぼります。
③そして直系卑属も直系尊属もいない場合は兄弟姉妹です。
養子がいる場合
養子縁組をしている場合には実子と同じ権利があり、実子と同じように血族相続人になります。
ただし基礎控除額を計算する場合の「法定相続人の数」に含めるのは1人までです。例えば被相続人に2人の実子と2人の養子がいる場合には、「法定相続人の数」は3人になります。
これはかつて養子の数に対する制限がなかった時代に、数多くの養子縁組を結び相続税を少なくしたという事例があり、その対策として設けられた規定です。
簡単にまとめてみると
(事例)
被相続人の遺産総額 5,000万円 借入金 1,000万円
家族構成 妻、子供(実子)2人
①相続税の課税価格
5,000万円-1,000万円=4,000万円
②基礎控除額
3,000万円+600万円×3=4,800万円
①<②
∴相続税の申告義務はありません。
税額はゼロでも申告が必要なことも
相続税を計算するさいに、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」を利用して税額がゼロになることがあります。
このように特例を利用して税額がゼロになる場合、納税はなくても基本的には申告義務はありますのでご注意ください。
【編集後記】
パンケーキの専門店は、卵黄と卵白を分けて、卵白をメレンゲ状にしてから最後に混ぜ合わせているというのを目にしました。
スーパーで買ったホットケーキミックスですが、さっそくやってみました。
いつもはホットケーキミックスと卵と牛乳をいっぺんに混ぜ合わせていましたが、卵白をメレンゲにしてから最後に切るように混ぜ合わせる。
ふっくらして美味しかったです!家のコンロとフライパンなので、見た目はいつもと変わらないのですが(笑)